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香川県~うどん県にて、うどん巡礼記 その1

佐川 弘二

2014年06月22日

さぬきうどんのうまい店を廻る

今回は“うどん県”にやってきました。目的もそのままズバリ“うどん”です。今では、はな○うどんとか、○亀製麺所など、全国展開しているチェーンもあるので、すっかりお馴染みでしょう。私自身、うどんは大好物なのです。太くてしっかりコシのある麺に、うっすらした出汁の利いたつゆ。さぬきうどんが各地で食べれることは嬉しい限りだけれど、やっぱり本場で食べたいですよねぇ。誰が数えたのか分かりませんが、香川県内には800件以上のうどんを出すお店があるらしい。もちろんダントツ全国トップです。 メインの目的は「日の出製麺所」さんへ訪問することだが、ここはひとつ、県内廻ってやろう!ということでレンタカーをチャーターし、都市部から山間部まで、まる2日かけてうどん巡礼をしたのでした。もともとのうどん好きなので、胃袋は完全に“炭水化物モード”になって全く飽きることなくうどんを堪能したのでした。 1月の寒い日、羽田から高松空港へ飛び、一旦高松市内に出てJRに乗って坂出までやってきた。日の出製麺所さんで取材と昼を兼ねて7杯のうどんをたいらげ、さすがに炭水化物を取り過ぎたかな、という感じだったが、日の出製麺所の三好社長おすすめのお店が近くにあるということで、 「もちろん行きます!」 と即答。 それがこちらの「よしや」さん。若き店主が切り盛りしている期待のニューカマーとのこと。日の出さんから車で10分ほどで到着。時間にして午後4時。

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「よしや」さんは2009年オープンの新しいお店。地元では讃岐富士と呼ばれる飯野山のふもとにある。機械は使わず、全て手作業でうどん作りを行っているという。本日8杯目のうどんは“あつあつ”をいただきます。

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下の写真を見ていただくと、うどんがねじれているのがわかるでしょ。このねじれはうどんを伸ばしたあと切るときに手切りしている証なのです。目の肥えた三好社長がお薦めするだけのことはあります。小麦、うどん、つゆのベストバランスを堪能いたしました!

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【純手打ちうどん よしや】 丸亀市飯野町東二343-1

このあと、ホテルに帰って三好社長から聞いた県内のおすすめのお店と、自分であらかじめ調べておいたお店を合わせて、翌日巡るお店の順番を練ったのでありました。 さてここで、さぬきうどん「巡礼の掟」ともいうべきお店まわりのコツを挙げておきましょう。

【休業日をチェック】 せっかく山奥のお店まで行って休業日だと悲しいですよね。

【営業時間をチェック】 うどんがなくなり次第終了とか、日の出製麺所さんのように昼の一時間しか営業していないお店もあるので、要チェック。開店早々に行けるとベスト。

【小銭を用意】 一杯のさぬきうどんは安いんです。特に製麺所やセルフのお店はほとんど一杯500円以下なので、何軒も巡るときは予め小銭を容易しておきたい。

【一軒ごとに食べる量を計算しよう】 セルフや製麺所は一杯(一玉)のうどんはそんなに多くない。しかし、一日に数軒まわる場合、最初から飛ばしてしまうと後半のお店でギブアップしてしまってはもったいない。だから通常の胃袋の方は必ず「小」で。ちなみに私は各店で小と天ぷら1つのオーダーにした。

そして翌日も1日かけてうどん巡り。朝、JR坂出駅前でレンタカーを借り、一軒目の「がもううどん」を目指す。カーナビに「がもううどん」の住所を入れて出発!駅前から20分くらい走り、建物一つない川沿いの土手に出たところで音声案内終了。 「目的地到着~」 はい、よくありますこんなこと(笑)。気を取り直しグーグルマップで検索したところ、川を挟んだ向こう岸と判明。こんな時スマホは便利ですな。慣れない場所で、慣れない車を運転し、車一台がようやく通れる細い道をよろよろ辿りついた「がもううどん」午前10時到着。民家に看板を掲げたような構え。しかしここが来客の絶えない人気店なのです。駐車場はしっかり広いので安心。外でも食べられます。

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まずは“あつあつ”+竹輪天で本日のうどんスタート! いやー、うどん巡礼の最初のお店に「がもう」を選んだのは正解。私が言うのもなんですが、うどん好きにはなんとなく分かるんです。おそらく、「がもううどん」は香川県人の考えるさぬきうどんのスタンダード(基準)なお店のひとつなのではないかと。 がもうのうどんは、コシがあるのだけれど、硬すぎるわけではない。そしてうっすら化学調味料を感じるゆつ。天ぷらは揚げたてサクサク、というよりは衣がほろりとしてて、つゆに浸して食べて美味しい天ぷら 。つまり、日の出の三好社長も言ってたのだが、さぬきうどんはできるだけ安く、美味しいうどんを提供するのが基本なのだ。「無添加」とか付加価値をつけたうどんを出す店もあるそうだが、やっぱり、香川県人が1日に何杯も食べるうどんは、やっぱり“安くて美味しいうどん”なのです。そのためにはある程度化学調味料も使うし、大量のお客さんをさばくために、うどんは延々と茹で釜に入れては揚げ、を繰り返し、常に休まることはない。うどんも最良の茹で加減というよりは、ざっくりと美味しい状態のうどんですよ、という感じなのです。いや、それで十分美味しいんですよ。むしろ、そのざっくりとした茹で加減の方が私は好きです。だからこそ、うどんは香川県民にとっての県民食なのだろう。

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がもうさんの店頭。麺がなくなり次第終了と書いてますね。営業時間も長くないので、どの店も開店を狙って行くのがおすすめ。そのためには各店の営業時間のチェックと、どう廻るかのルート設定が重要なのです。いや~美味かった!今日も完全に“うどんモード”です。

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【がもううどん】 坂出市加茂町420-3

そして二軒目は営業時間の短い山間部のお店「谷川米穀」へ。午前11時到着。香川県の南側の山間部で、もう数キロ行けば徳島県という県境近く。ここはちょうど2つの川が1つに合流する地点で、橋の上から谷川米穀を眺める。下の写真の右側に写っているどう見ても民家なのがお店です。初訪問の私としては、見ず知らずのお宅にズカズカ入っていくようで気が引けます。

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恐る恐る近づいてみると、小さな看板に「食堂」って書いてますね。たぶんここで合ってます。いや~わからない、ここがうどんのお店だって。はじめて行く人間にとっては「未知との遭遇」です。

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中に入ると、茹で釜の湯気がもっくもく。山間部ということもあり、外はかなり寒かったぶん、店内の熱気がほっとする。オーダーするとき、おばちゃんが、卵は?と聞くので、ここでは釜玉が定番なのか?と思い、言われるままに、卵もオーダーしました。ちなみに谷川米穀に天ぷらはない。

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お店の奥ではおじさんがうどんをこねてます。下の座布団みたいなのは足で踏むんでしょうね。

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“あつ”をしょうゆかけ+卵でいただく。ここで重要な情報。谷川米穀はかけだしがない。テーブル上の醤油、酢、薬味の青唐辛子漬などで食す。醤油も見たところ普通のキッコーマン。しかしうっまいんです。後で知ったのだが、青唐辛子漬けが名物らしい。残念、食べ逃しました。うどんは、真っ白な小麦ではなく、なんとなく昔懐かしい小麦というか、ちょっと麦の色が混ざったようなうどん。シンプルに醤油をかけただけなんだけど、麺の味がしっかりしている感じでとても旨い。日の出製麺所さんのうどんもそうだが、本場のさぬきうどんは麺そのものが旨いんです。醤油やつゆは少しだけで、しっかりうどんの美味しさが味わえます。

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【谷川米穀店】 香川県仲多度郡まんのう町川東1490

お次の三軒目は、山間部から下ってのどかな田園風景が広がる、というかまだ山に近いお店「やまうち」へ。午前11時40分到着。しかし住民も少なそうな、交通量も少ない場所のうどん屋ってどうなの?美味しいの?って思うでしょう。私もそう思いました。「やまうち」のうどんを食べるまでは。

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スマホのナビに誘導され、辿り着いた道端の空き地のようなやまうちの駐車場に車を止める。そこから木々に囲まれた上り坂を数分歩くと、またしても民家。どう見ても誰かの家の庭でしょう。しかし、がもううどんと谷川米穀で“さぬきうどん”の洗礼を受けた私は、もはや何の躊躇もなくズカズカと侵入できるまでに“さぬきうどん”慣れしていたのでした。かろうじて見える「うどん」の看板が目印です。

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お店の外に積まれた大量の薪。茹で釜の燃料だろう。がもううどん、谷川米穀も衝撃的だったが、「やまうち」もナカナカのもんです。みかんを店の前で売ってるし。さぬきうどんの懐の深さを感じます。

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店の中に入ると、おじさんがガンガンうどんを茹でてます。まだ12時前なので、そんなにお客さんもいないけれど、おじさんガンガン茹でてます。お昼のピークに向けて職人の感が働くのだろうか?確かに、駐車場は観光バスもとまれるようなスペースがあるので、昼時には相当混むのかも。ちなみに一般的なさぬきうどんは15分ほど茹で時間がかかる。

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“ひやあつ”+げそ天をいただだきました。麺は手切り特有のねじれが確認できる。麺の太さが微妙に違う、弾力のある麺。ひやとあつでは違うだしが用意されていた。そして、テーブルに置かれたおろし金と生姜の塊に注目!(下の写真の右上)しょうがはお好きな様におろして召し上がれ、ということでしょう。さぬきうどんと生姜って合うんですよ。そして青ネギは必須です。

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昔ながらの雰囲気のしっとり衣の天ぷら。谷川米穀に近いうどんの色。うどんの素となる小麦そのものが風味豊かで旨いんです。

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【山内うどん】 香川県仲多度郡まんのう町大口1010

さて、お次はうどん巡礼記パート2です。まだまだ魅惑的なお店があるので次回も乞うご期待!

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